相手方に弁護士が付いた方へ
相続の話合いの最中に相手方が弁護士をつけ、突然、その弁護士から連絡がきた、というケースは少なくありません。
そのような連絡を受けたほとんどの方は驚かれると思いますし、中には、相手の対応を腹立たしく思われる方もいらっしゃるかも知れません。
このように弁護士からの連絡を受け取った場合に、ご自身のみで対応してしまうと、後々不利な立場に立たされるケースがあります。
そのため、弁護士に対して対応される前に、相続に強い弁護士にご相談されることを強くお勧めいたします。
では、相手方に弁護士が就くことによって、相続に関する交渉にどのような影響が生じるのでしょうか。
相手方に弁護士が就くことで生じる3つのポイント
1.相手との交渉力に差が出る
1つめの影響として、相手方に弁護士が付くことによって、相手方との交渉力に差が出てしまうという点が挙げられます。
これまで「相続」というものを何度も経験したという方はあまりいらっしゃらないと思います。そのため、相続の話し合い自体が初めてという方が多いでしょうし、調停・訴訟・審判などの裁判所での手続は一切経験したことがないという方がほとんどではないでしょうか。
それに対して、相続案件を担当する弁護士は、多くの方から相続に関する相談をお受けし、相続に関連する交渉や調停・訴訟なども数多く扱っています。弁護士はその経験を通じて高い交渉力を身につけており、また、最新の学説や判例の動向などの専門的知識も身につけています。
これらの点を考慮しますと、これまでほとんど相続を経験したことがない方が弁護士を相手に交渉や調停・訴訟等の手続を行っても、有利な結果を得ることは極めて難しいと言わざるを得ません。
したがって、相手に弁護士がついている場合には、ご自身も弁護士を立てて自分が不利にならないよう準備するのが良いでしょう。また、弁護士の中でも、相続案件に注力する弁護士を選んで選択される方が有利に交渉を進めることができるでしょう。
2.相手方のペースで交渉等が進んでしまう。
2つ目の影響として、相手に弁護士が就くと、交渉の主導権も相手方に握られてしまうという点を挙げることができます。
例えば、相手方の弁護士と交渉した時、
「法律的にそうなっています」
「裁判所の運用がそうなっていますから、受け入れないというなら調停を申し立て以後裁判所で話合いをさせてもらいます」
等と言われたときに、あなたは何か反論を思い浮かべられるでしょうか。
弁護士にとっては「当たり前」な話も、一般人の方にとっては「分からない」ことばかりです。
次から次へと弁護士から投げられるボールを、その都度その都度、適切に返していくことは非常に困難であり、気づいたときにはすっかり相手方のペースで交渉が進んでしまうことになってしまうのです。
このことは、調停委員を介して行われる調停においても同様です。相続調停では、法律的・実務的正論を述べる弁護士の意見を重視して話し合いが進む傾向にありますし、裁判では「書面主義」となり、提出された書面のみでどんどん話合いが進んでしまい、気づいたときには手遅れと言うことも往々にしてあるのです。
3.弁護士とやり取りすることがストレスとなる。
3つ目の影響として、相手方に弁護士がついた場合、交渉の段階であれば直接相手方の弁護士と書面や電話でやりとりをする必要が生じ、それがストレスとなるという点を挙げることができます。
法的知識や交渉力に大きな差があるにもかかわらず、弁護士と電話で直接交渉をする必要があるというのは、それ自体強いストレスの原因になってしまいます。具体的には、相続や交渉のプロである弁護士からの言葉に対して、「自分の方が正しい。法律的には、裁判所の運用的にはこうなっているはずだ。」としっかり反論できる方は少なく、対応を強いられる度に、本当にこの対応でいいのかと不安になったり、プレッシャーを感じたりされるのではないでしょうか。
そのようなストレスや負担・ぷれっしゃーを完全に取り除くには、ご自身も弁護士に依頼するしかありません。
弁護士を選ぶ際のポイント
我々も、よく「どんな弁護士を選ぶとよいのですか」という質問をいただきます。
相続に限って言えば、相続に注力し、取扱件数が多く、経験が豊富であることが挙げられます。
弁護士であれば誰でも良いわけではなく、相続に注力している弁護士を選ばないと弁護士間の力量に差が生じてしまい、結局は自分で行うのと変わりがない結果となる可能性があります。
日々、相続問題に真正面から取り組み、ノウハウや経験を蓄積し、研鑽を積んでいる「相続弁護士」を就けることが非常に重要と言えます。
そういった弁護士を選ぶためには、いくつかの法律事務所を回り、比較することも有益かと思います。是非ご自身の目で真の「相続弁護士」を見つけて下さい。
当事務所では、初回無料法律相談を実施しておりますので、是非お気軽にご利用下さい。
執筆者情報
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