遺産分割協議書の内容を履行しない相手方に対し、交渉で履行を促し、協議書で記載された利益をすべて取得できた事例

依頼者:50代 女性

被相続人:依頼者の父

相続人:AB(依頼者)

相続財産:不動産、預貯金、株式等評価額約3千万円

遺言:遺言書なし

相談に至る経緯

相談者の父が亡くなり、遺産分割協議を行ったものの、他の相続人(兄弟)がその内容を履行しようとせず、話し合っても言うことを聞いてくれず、平行線になっているということでご相談に来られました。

事件処理

相手方とのやり取りはお互いの非難の応酬になりがちで、相談者は心身ともに疲れ切った状態でした。

そのため、これ以上のやりとりは弁護士が行うことになりました。

まず、感情的対立の根本的な部分を良く聞き取り、それを踏まえて相手方に受任通知を送り、直接交渉を行いました。

相手が感情的になっているポイントを押さえ、逆鱗に触れない形での協議を行い、履行をお願いしたところ、相手方ともある意味での信頼関係のようなものが形成され、ある時点以降は非常に協力的に遺産分割協議書の履行に向けて動いてくれるようになりました。

 

事件の解決内容

その後は、両相続人で共同して行わねばならない項目(株式の売却や配当金の受領など)についても、当方(弁護士)と相手方とで協力して行い、スムーズに協議書通りの履行を完了させることができました。

弁護士のコメント

相続問題で対立関係にある当事者は、非常に感情的になっていることが多いです。

そのため、何を話しても「思い通りにさせたくない」という意識が働き、話が進まなくなってしまいがちです。

当事者とは別人格である代理人が間に入ることで、相手方との感情的対立をやわらげつつ、相手方の感情に配慮した話し合いを行うことで、協力関係を築けることもあります。

そうなれば、非常にスムーズに短期解決を実現することも可能です。

対立関係にある当事者で話し合っても、より対立が悪化するだけの結果となります。

弁護士に頼むのは大げさなことでは決してありません。感情的対立をやわらげ、より建設的な方向で話を進めるためには、代理人が話をするのが最も効果的です。

事態が悪化しないうちに、まずはご相談だけでもされることをお勧めします。